破傷風

土壌中に存在する破傷風菌が傷口などから侵入、全身のけいれんを起こし、多くは発症後5日以内に死んでしまう危険な感染症。

 

症状

潜伏期間は4日~2週間程度で、破傷風を発症すると、まず頭の側面にある筋肉のけいれんが始まり、瞼が引き攣り鼻の穴が広がります。犬はロを開けにくくなり、口唇と眼球の筋肉が収縮した特徴的な“笑い顔”がみられます。口が開けられないため、食事ができなくなり前頭部の筋肉が収縮することにより耳が立ちますが、第三眼瞼が目立つこともあります。

さらに首の筋肉や全身の筋肉の硬直とけいれんがおこり、犬は四肢の関節が曲げられず歩行困難になります。抱いて横に寝かせても、立っている時と同じように四肢をつっぱります。わずかな音や光、振動などの刺激に対してとても敏感になり、強い反応を示します。やがて呼吸困難を起こし、多くは死に至ります。

原因

破傷風菌は、土壌中で長いあいだ生きています。土で犬が汚れた時などに、傷口から菌が体内に入り込むと、テタノトキシンと呼ばれる毒素を作ります。そのテタノトキシンが運動・中枢神経を攻撃するために、けいれん・硬直・知覚障害を起こします。

治療

破傷風菌が増殖している傷の組織を取り除き十分に消毒して、ペニシリンを投与します。同時に毒素を中和するために抗毒素血清を使います。硬直や痙攣がある場合、症状をやわらげるように鎮静剤も使用します。呼吸困難が起きている時は、酸素吸入も必要となります。破傷風菌が見つかれば診断は確定できますが、症状が現れる頃には傷口がふさがってしまう事が多く感染部位がハッキリしないために確定はなかなかできません。早期発見、早期治療が大切です。

予防

破傷風ワクチンの定期的接種は行われていません。破傷風菌が存在する場所でけがをした時や、去勢や断尾など手術の部分からも感染しやすいので、傷口の消毒はしっかりしましょう。