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特発性前庭疾患

平衡感覚をつかさどる耳から脳につながる前庭に異常が起こる病気です。体のバランスが取りにくくなり、首をかしげたり、ぐるぐる回って倒れたりします。

 

症状

老犬に多く見られる病気で、突然首を斜めに傾ける「斜頸」という症状が現れます。体のバランスをうまく保つことが出来なくなるため、めまいやよろめきが起こります。平衡感覚を失い、同じところをぐるぐる回ったり、まっすぐ歩くことが出来ずに倒れこんでしまうことがあります。呼びかけても反応しないか、応答が遅れます。

また、眼球が小刻みに動く「眼振」と呼ばれる症状も見られます。嘔吐などを起こす場合もあり、食事ができなくなることがあります。特発性前庭疾患は治癒する病気ですが、回復後も後遺症としてわずかな斜頚が続くことがあります。

原因

耳の中で一番奥の内耳という場所にある前庭は、「卵形嚢(らんけいのう)」と「球形嚢(きゅうけいのう)」と「半規管(はんきかん)」という複雑な構造をしています。

頭を動かすと半規管の中のリンパ液が動き、この動きの情報が前庭神経に伝わることで、体のバランスをとる事ができるのです。内耳は脳と直結しているため、この部分に腫瘍ができたり炎症をおこしたりすると前庭神経に異常が起こり、平衡感覚が失われます。

急性の内耳炎でも同じような症状を示すため、前庭疾患と診断するためには、内耳炎の可能性を除外することが重要です。また、加齢が原因のこともあり、老犬に多く発症する傾向があります。

治療

<診断>

神経機能の検査を行い、前庭徴候以外の神経症状が認められないこと、急性内耳炎と似たような症状を起こすため、耳鏡検査やレントゲン検査により急性内耳炎を除外すること、血液検査や尿検査において、他の疾患や炎症が認められないこと、頭部の外傷や中毒の可能性を除外することで確定診断されます。