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膿皮症

膿皮症は、皮膚がブドウ球菌などの細菌に感染することによって生じる化膿性の皮膚病の総称で、犬の皮膚病の中で一番多い病気です。

細菌感染の深さや程度によって浅在性、表在性、深在性に分かれ、それぞれ症状が異なります。

主な症状としては、皮膚に赤い湿疹ができて広がり、膿疱、かさぶた、円形の脱毛などが見られます。

細菌の感染が深部に及んだ場合には、腫れや痛み、発熱が見られることがあります。

夏場に多く、普通なら体についていても問題のない細菌が、皮膚の抵抗力が弱くなっている時や、免疫力の低下が起こっている時に増殖する事で起こります。

軽症のものは自然に治る場合もありますが、感染への抵抗力が弱っている犬や、治療法が不適切だった場合、炎症が悪化したり慢性化しやすいので注意が必要です。

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脂漏症

皮膚から脂が異常に分泌され脂っぽくなったり、逆にかさついてフケが多く出たりする病気です。

症状

体臭が強くなり、胸や背中、耳の中などがべとついて脂っぽくなる(油性脂漏症)と、
皮膚がひどく乾燥し、フケが増える(乾性脂漏症)の2つがあります。症状が進むと痒みも出て、発疹や脱毛などの症状がみられることもあります。

原因

正常なら3週間ほどかかる皮膚の角質化が非常に早いサイクルになり、皮膚が脂漏化します。皮膚の潤いに重要な皮脂腺に異常が起きて発症する事もあります。

ホルモンの異常や栄養の偏り(脂肪分が多すぎたり、少なすぎたりする食事)、皮膚寄生虫や細菌感染、アレルギーなど、別の皮膚病から二次的に引き起こされることもあります。

治療

何らかの病気が原因となっている場合は、もとの病気の治療をします。油性の場合には、抗脂漏シャンプーでの薬浴が効果的です。患部周囲の毛を刈り、薬浴後、患部に抗生物質の軟膏を塗ります。

症状がひどい場合は、抗生物質の飲み薬も同時に投与します。ただし、過度のシャンプーは逆に症状を悪化させることがありますので、週2回以上の薬浴はさけたほうがよいでしょう。

皮膚が乾燥し、フケがひどいときには、一般にビタミンA製剤や亜鉛製剤が投与されます。

また、保湿のために皮膚軟化リンスを使う場合もあります。ホルモンの分泌異常が原因の場合には、ホルモン剤を与えたり、皮膚の炎症・痒みがひどい時は、それに対する対症療法を行います。

治療が遅れると悪化して、長期の治療が必要なので早期発見が重要です。

予防

日ごろから食事の栄養バランスに気を配り、皮膚を清潔に保つようにします。

★かかりやすい犬種★

パグ、ブルドッグ、シーズー、ビーグル、ウエスティ、バッセットハウンド、ジャーマンシェパード、コッカースパニエルなど。

下痢

下痢は、便に含まれる水分が増えて、便が軟らかく液状になる状態をいいます。下痢の原因や症状はさまざまで、単なる消化不良やストレスなどで起こる場合もあれば、寄生虫、細菌、ウイルス感染によって引き起こされる場合もあります。その他、腫瘍やホルモン異常など重大な疾患と併発して起こる場合もあります。

単なる消化不良の場合は、食事を1~2回抜き、腸を休めるだけで治ることも多いですが、子犬や老犬が急性の下痢になった場合は、命に関わることもありますのですぐに動物病院へ連れて行きましょう。

症状

軟便や血便など、一口に下痢と言っても便の性状や症状は様々です。下痢の症状は、異常のある部位によって異なりますので、まず、何処の部分に異常があるのかを見極めることが大切です。

<小腸性の下痢>

小腸は、食べものを消化・吸収する所です。小腸に異常があって下痢が起こる場合(小腸性下痢)は、1回の便の量は多いですが、回数はそれほど多くない傾向があります。便の性状は、軟便のこともあれば、水っぽいこともあります。小腸に出血がある場合は、便の色が黒っぽくなってきます。小腸性下痢が長期にわたって続く時は、合併症状として体重の減少や嘔吐、脱水などが見られます。

<大腸性の下痢>

大腸は水分の吸収を行う所です。大腸に異常があって下痢が起こる「大腸性下痢」の場合は、1回の便の量は正常か少なめですが、便の回数が多くなる傾向があります。便は、大腸の粘液が下痢と一緒に出る事が多く、ゼリー状の便がでたり、鮮血を伴ったりもします。大腸性下痢では、体重の減少はあまり見られません。

<ウイルス・細菌感染による下痢>

下痢で特に注意が必要なのは、細菌感染やウイルス感染などが原因で起こる下痢です。この場合、数日間激しい下痢をくり返す他、嘔吐や脱水、発熱などの全身症状を伴います。時に命に関わるので、一刻も早く病院に連れて行きましょう。

原因

食べものや寄生虫、細菌・ウイルス感染、腫瘍など下痢の原因は様々。下痢を引き起こす主な原因には、次のようなものがあります。

<食事が原因>

食べすぎたり、高脂肪のものを口にした場合、ドッグフードを変更した場合、食物アレルギー、牛乳を飲んだ場合、異物を拾い食いした場合など。犬の下痢の原因としてもっともよく見られます。

<ストレスなど神経性のもの>

引っ越しや旅行での移動、ペットホテルや美容院に長時間預けていた場合など、環境変化がもたらすストレスによって下痢を起こす場合があります。

<寄生虫の感染>

回虫、条虫、鞭虫など大型の寄生虫や、ジアルジア、コクシジウム等に感染しておこります。成犬よりも仔犬に多く見られます。

<ウイルス感染や細菌感染>

1.ウイルス感染

●パルボウイルス

ウィルス性の下痢では比較的頻繁に見られ激しい嘔吐と下痢を伴います。致死率の高い最も恐ろしい伝染病です。

●ジステンパーウイルス

下痢の他、目やにや鼻水、神経症状も現れます。

2.細菌感染

細菌による下痢は人に感染する可能性もあります。

●カンピロバクター

健康な犬の腸内にも見られることがあります。人では食中毒の原因となる代表的な菌です。

●サルモネラ

食中毒で有名な菌です。血清型により毒性もさまざまです

●大腸菌

普段も腸内にいる細菌ですが、中にはO-157のように毒性の強いものがあります。

<その他>

●腫瘍など

消化器型の悪性リンパ腫、胃や腸の腫瘍などは高齢のペットに多くみられます。年寄り慢性の下痢は要注意です。

●膵外分泌不全症

犬に多い病気で、脂肪を分解するすい臓の酵素が分泌されないため、食事中の脂肪を分解することができず、白い脂肪便がでます。食欲旺盛なのにも関わらず、ガリガリに痩せていきます。

フィラリア症(犬糸状虫症)

原因

蚊を媒介にして、フィラリアという寄生虫が愛犬に感染して起きる病気です。屋外飼育の犬の場合、3年予防をしなければ9割が感染すると言われています。フィラリアにかかっている個体の血を蚊が吸う→フィラリアの幼虫が蚊の体内に移動→フィラリアの幼虫を宿した蚊が愛犬の血を吸うと同時に、フィラリアの幼虫が愛犬の体内に入り込む、という流れで感染します。

体内の幼虫は数ヶ月かけて成長し、心臓の中に雄と雌のフィラリアが寄生した場合たくさんの子虫を産みます(ミクロフィラリア)。ミクロフィラリアそのものは一度、蚊の体内に入らないと成虫にはなれません。フィラリアの成虫が(20~30cm)心臓や肺動脈に寄生すると、血液の流れが悪くなり様々な病気を起こします。

症状

感染初期は症状がない場合が多く、年月の経過と共に、咳をしたり、動きたがらなくなったり、腹水でお腹が膨らんだり、食欲不振、呼吸困難などの症状が出てきます。急性の大動脈症候群にかかった場合は、激しい呼吸困難を起こし、血尿(コーヒー色の尿)が出たり、心不全で命を落とすことがあります。

治療

血液検査で感染を診断します。早期であれば内科療法を用いて、薬や注射で対処します。フィラリア起因により別の症状が出ている場合は、その対処も行います。急性の場合は、外科治療によりフィラリアを摘出します。老犬などで手術を行えない場合は、食事療法と薬を用いて、咳を抑えたり、腹水を軽減するなど対処療法を行います。

予防

フィラリアは、毎月一回予防薬を飲ませるだけで簡単に予防できます。ただし、すでに感染している犬に予防薬を投与した場合、重大な副作用が出ることがあります。毎年、予防の前に検査が必要なのはそのためです。

フィラリア予防薬は、寄生したフィラリアを成長する前に死滅させるものです。飲ませ始めるのは蚊が発生してからで間に合いますが、内服終了してから蚊に刺されると感染してしまいます。蚊の活動時期は地域によって異なるので、予防期間については、お住まいの近くの獣医師の指示に従うようにしましょう。

バベシア症

血液中に寄生するギブソンバベシア原虫(Babesia gibsoni)に感染して起こる恐ろしい感染症で、重度の貧血が特徴の病気です。

原因

バベシア症は、この病原体に感染したマダニが吸血するときにバベシア原虫がダニの体内から犬の血管内に入り込むことで感染します。犬の体内に侵入したバベシア原虫が赤血球に寄生すると、正常な赤血球までも破壊、細胞分裂を繰り返し増殖することで貧血が進行します。

症状

貧血のため口の中や目の結膜が白っぽくなります。また、赤血球が破壊され、色素が尿中に出るため血尿になります。元気・食欲がなくなります。重症になると肝臓や腎臓の機能障害から黄疽がみられるようになり、最悪の場合は死亡します。

治療

貧血や黄疸の治療が行われます。一般的には、抗原虫剤の注射や抗生物質が投与されます。貧血がひどい場合は、輸血を行う事もあります。再発も多い病気なので、完治するまで治療を続けることが大切です。

予防

バベシア症はマダニによって媒介されますから、マダニに吸血されないことが最大の予防策。それには、動物病院で扱っているマダニ予防の薬剤(首輪タイプやスポットオンタイプ)を月に1度、定期的に投与する事が効果的です。

また、マダニの吸着から約36~48時間で感染するといわれていますので、ダニが付いても1~2日以内に駆除すればバベシア感染の可能性は非常に低くなります。以前は、九州・中国西部に生息するマダニが感染源となるケースが多くみられましたが、近年になり、感染地域が広がりを見せています。

現在では、近畿地方に中心が移り、六甲山系や生駒山系で多いという報告もありますので予防のためには、それらの地域ではマダニが多く生息する山野に犬を連れて行かないようにしましょう。